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2015年08月18日

 また今年もベランダで蝉が死んでいる。
 毎年一匹ずつ。
 律儀に。
 最後のちからを振り絞って、わざわざ高く飛んで死にに来る。
 今日は風が強いから、洗濯物を取り込んだ時には、干した時よりも少し移動していた。
 もしかしたら生きているのではと気持ち悪くなる。
 道に落ちている蝉の死体は、蹴るとジーと鳴いてロケットのように飛んで行く、という街談巷説もある。

 そういえばお盆時期か。
 だとしたら、つまりこういうことだ。
 美少女の霊的な何かが、毎年蝉の身体を借りて私に会いに来る。
 けれども夏も盛りのこの時期、冷房をつけるための窓は閉め切られていて、ガラスにぶつかってちから尽きる。

 風に煽られてふるふる、ふるふると、蝉の軽い身体は左右に身を揺らしている。