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2021年06月24日

 意図せずネタバレしてしまう可能性に配慮し冒頭にタイトルを並べてみるアマプラ感想ニッキです。

 今回の。
・ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(洋画)
・戦慄病棟(洋画)
・コンティジョン(洋画)
・ホテル・ムンバイ(洋画)
・ジェノサイド・ホテル(洋画)


・ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(洋画)
 作家J・D・サリンジャーの話。戦争映画の側面も持ちつつ、人との関わりという面において個人的に非常に共感できる部分があり教養も得られるいい映画。
 バナナフィッシュ(漫画)で名前や作品名は知っていたとはいえ読んだことはなかったのだけど、今回の視聴で俄然本にも興味が湧きました。とりあえず『バナナフィッシュにうってつけの日』は読んでおくか、と本購入。『ライ麦畑でつかまえて』とか、他の作家だけどヘミングウェイの本も読んでおきたい気持ちはあるのだけど、昔の翻訳本ってあんまり好きじゃないのでどうだろうな。
 哲学書はまた自分で勝手に言葉とか言い回しとか新しく作りまくるから翻訳がどうこうとはまた違うんだろうけど、キルコゲールの本で
『自己とは自己自身に関係する所の関係である。すなわち、関係ということには関係が自己自身に関係するものなることが含まれている──それで自己とは単なる関係でなしに、関係が自己自身に関係するというそのことである』
 とかってあって本をブン投げることしかできなかったんだよな。ハイデガーとかも狂ってる。哲学そのものが嫌いとかって話ではなく読む人間のことをちょっと考えてくださいっていう。もっとライトにラヴクラフトもかなり読みづらい。読みづらいとはいえにゃる・しゅたん! とかは萌える。いあ! いあ! 萌えはいいとして、古い翻訳本は読みづらいのが多い印象でそんなに気が乗ってないという話。とはいえサリンジャーのはやや選択肢があったので、2007年くらいに翻訳されたののを買いました。
 映画自体は前提知識に依る部分が大きそうで、サリンジャーに興味があればオススメ、くらいにふわっとしたオススメ具合。


・戦慄病棟(洋画)
 児童院の廃墟にパーティナイトしにきた若者達が案の定あれやこれ。
 映像はひたすら廃墟でボロボロなんだけど色合いとか光の入れ方とか洗練されていて『美しい廃墟』を観たい人にはオススメ! というくらい画作りにはこだわりが感じられたな。お話や恐怖演出は特には。


・コンティジョン(洋画)
 10年前に作られた世界規模のパンデミックの話。
 タイムリーですね……。とはいえ世界で5億くらい死ぬ規模の話なのでマジヤバ度は全然違う。それでも今実際のあれこれを経た上で、なお凄まじいリアリティを持って描かれてるかんじ。現実の対応の方がちょっとポンコツでしたね。


・ホテル・ムンバイ(洋画)
 ムンバイのホテルがテロリストに襲撃される話で地獄。
 2008年のムンバイ同時多発テロの時のタージマハルホテルなんですって。わりと淡々と進行していて、そのかんじがとても良い。良いといっても明るい意味ではなく『同じ人間が』『別の信念を持って』『そうせざるを得なく』『または利用され』『一方的に罪なき人々を』というようなことが淡々と実行されていく圧が良い。
 これについては次のジェノサイド・ホテルとの対比で明確になるかんじ。こっちを先に観てしまったばっかりに……。


・ジェノサイド・ホテル(洋画)
 同じテロをテーマにしたお話。原題はHOUSE OF WAR。まぁ別に……邦題に言いたいことはありませんけど……。
 ホテル・ムンバイと比較して見せ方でこうも違うのかというかんじ。何を見せたいのかによるのでどちらがいい悪いという問題ではないのかもしれないですが、と中庸的なことを言いつつ客側に色々なキャラクターを用意してポンコツも出しつつ、テロリスト側の知能も落として全体的に頭を悪くしていくスタイル。こちらを先に観てたらまた違った感想になったのかな。
 何を見せて何を見せないか、という取捨選択は好みなのだろうけど圧倒的にホテル・ムンバイがオススメ。こちらは見せなくてもいい部分が多い印象。ただカメラワークは丁寧だし印象的ないいシーンもあるしちょいちょい出てくるインド幼女は目がぱっちりしていて超かわいい。